債務の原因~再生申立、裁判所に説明を求められること
弁護士の西野です。
前回に引き続き、個人再生を申し立てたときに、裁判所に書面で説明を求められる事項とその対応についてご紹介します。
第5回は、「申立の実情(債務の原因)」についてご説明します。
どの裁判所の申立書にも、返済できなくなり申立てに至った具体的な事情(債務の原因)を記載する箇所があります。
自己破産の場合には、投資やギャンブル、ショッピングなどのいわゆる浪費で債務が増えた場合、原則は債務が免責されません。申立前後の経済状況(浪費の中止、節約など)を検討したうえでないと許可されません。
個人再生では、病気や転職による減収などの理由だけでなく、浪費で債務が増えた場合でも認可されます。
これが、破産と再生の大きな違いです。
ただし、浪費が原因の再生がいつでも認められるわけではありません。
浪費癖が治らない方、ギャンブル依存が続く方が再生を申し立てた場合、浪費によって今後の返済が難しいと判断されれば、再生を認可してもらえません。
そのため、浪費の内容(金額、期間)、現在の再発防止に向けたとりくみを裁判所に説明する必要があります。
また、第三者にお金を貸したり預けたりして債務が増えた方、あるいは海外FX、仮想通貨投資などのハイリスクな行動によって失敗した方は、預けたお金が本当に戻ってこないのかを調べ、きちんと報告する必要があります。
債務の原因が浪費や投資の失敗である場合、あとで発覚すれば巻き返しが難しいですが、準備の段階から聞いていれば様々な対処が可能です。借入の原因は正直に説明しましょう。