手続き全般について

個人再生申立に必要な資料―7

必要資料―収支関係(事業者)

※注意 この記事では、個人再生手続きに必要な書類の内容や取得方法などをご紹介いたします。ただし、申立に必要な資料の範囲や有効期限等は、各裁判所によって異なる場合があります。
当事務所では、主に大阪、兵庫、京都、奈良、和歌山、滋賀県と周辺の裁判所を対象に業務していますので、その他の地域の方は、お近くの弁護士あるいは裁判所に詳細をご確認ください。

 

 

個人事業者が個人再生をするためには、事業と家計両方の収支を把握する必要があります。

事業者の再生申立では、事業収支実績表及び事業に関する報告書を作成します。書類の作成自体は弁護士が協力して行います。事業主の方に準備いただくのは、事業/収支に関する正確な記録と根拠資料です。

収入については、通帳、現金出納帳(入出金を管理したもの)、確定申告書などを根拠に算出します(請求権の発生ベースではなく、入金ベースで報告します。)。

支出については、取引のすべての領収書を求めることはありませんが、家賃、人件費、仕入れ、保険料など大きな支出のあるものや、定期的に一定額を支払っている経費は領収書等が確認される場合もあります。

事業と家計のお金が混同している場合、事業から収益が見込まれるかどうか判断できません。

ですから、事業者の場合、事業からいくら収益があり、事業主がどれだけの所得(報酬)を受けているのか、毎月明確にする必要があります。

再生申立を準備する際には、事業の収支と家計の収支をきちんと分別管理できるようになる必要があります。

また、一般の支払いを停止した後でも、公租公課については継続的にお支払いしていただく必要があります。

赤字事業の方は、消費税、(従業員への)社会保険料等を滞納している場合も多く、これらの支払継続が予想外の負担になることもあります。

※相談者の中には、商店街の魚屋さん、金物屋さんなど、現金取引ばかり、しかも日々の売り上げを記録しておらず、これまでの売上、利益を示す資料が全くない方もいます。

このような事業では、過去の実績を確認できないという点で、履行可能性の証明が難しくなります。

せめて、申立することを希望した後からでも、日々の入出金を正確に記録しましょう。

 

 

個人再生申立に必要な資料―1

個人再生申立に必要な資料―2

個人再生申立に必要な資料―3

個人再生申立に必要な資料―4

個人再生申立に必要な資料―5

個人再生申立に必要な資料―6

個人再生申立に必要な資料―7

監修者情報

弁護士

吉田浩司(よしだこうじ)

専門分野:債務整理事件(任意整理・個人再生・自己破産など)

2004年(旧)司法試験合格 2006年弁護士登録、2010年8月にTMG法律事務所開業。任意整理、個人再生、自己破産等の債務整理事件に数多く取り組んでいる。特に個人再生の取扱が多い。