手続き全般について

給与所得者等再生の実情―給与所得者等再生その1

給与所得者等再生手続を利用する人はどれくらいいるのか

今回から数回に分けて、「給与所得者等再生手続き」の特色について説明します。

第1回は「給与所得者等再生の実情」についてご説明します。

当事務所に限らず、給与所得者等再生手続きは、利用者は極めて少ないのが現状です。

ここ数年を見ても、給与所得者等再生の裁判所申立件数は、小規模個人再生の10分の1以下です。

もっとも大きな理由は、給与所得者等再生よりも、小規模個人再生手続きのほうが、返済額が少ないことが多いからです。

具体的にいえば、給与所得者再生の場合、可処分所得2年分という最低弁済額が設けられています。住宅費やお子さんに費用が掛からない世帯、共稼ぎの世帯の利用者はこれが高額化し、数百万円に上る場合があります。(これまで、給与所得者等再生では、最高460万円(弁済率70%)の返済計画を提示した例があります。)。

これに対し、小規模個人再生の場合、負債総額(住宅ローン等除く)の10%~20%程度を支払えばよく、多くの利用者が100~300万円程度までの返済で残額は免除されています。※返済額は、年収、資産、総債務額によって変わります。

以上の理由から、当事務所では、再生を希望される方の第一選択は小規模個人再生としています。

例外的に、小規模個人再生を申し立てた場合、特定の債権者から反対されそうな事案で、しかも反対が過半数に達する場合のみ給与所得者等再生を利用するようにしています。

 

給与所得者等再生の実情―給与所得者等再生その1
給与所得者以外の利用者―給与所得者等再生その2
給与所得者等再生を利用するとき―給与所得者等再生その3
不同意意見を述べる債権者―給与所得者等再生その4
不同意の理由―給与所得者等再生その5
不同意で棄却された後は―給与所得者等再生その6
再生認可後の違い―給与所得者等再生その7

監修者情報

弁護士

吉田浩司(よしだこうじ)

専門分野:債務整理事件(任意整理・個人再生・自己破産など)

TMG法律事務所 代表弁護士。2006年弁護士登録。2010年8月にTMG法律事務所を開設し、同年から個人再生を中心に債務整理事件に取り組んでいる。個人再生の受任は毎年50件前後。大阪地方裁判所において個人再生委員や破産管財人を務めた経験は複数あり、申立てをする側と、手続をチェックする側の両方から個人再生に多数関わっている。