債務について

住民税、固定資産税、国民健康保険料…滞納しているとどうなる?

個人再生手続では、税金は減免対象になりません。

税金を期限通りに支払えていない場合は、裁判所から指摘を受け、再生の履行可能性がない(返済する能力がない)と判断されてしまいます。そのため、再生の申立までに税金の支払いのめどをつけておく必要があります。

しかし、滞納が高額になると、一括で支払うことは難しいでしょう。このコラムでは、税金等の分納(分割納付)の方法について、詳しく説明します。

 

住民税(市町村・都道府県民税)

会社勤めの方で、住民税を給与から天引きされている場合(特別徴収といいます)は、会社が税金を納めているため、住民税が滞納になることはほとんどありません。

しかし、自営業の方や、派遣社員・アルバイトなどで特別徴収を受けていない方、転職活動の期間が長かった方の場合、住民税はご自身で納める必要があります(普通徴収といいます)。

 

住民税の担当窓口は、ご自宅に届く納付書に記載してあります。ほとんどの場合はお近くの市役所・区役所の「市税課」ですが、大阪市や京都市などでは「市税事務所」が担当窓口になっており、市役所とは別の場所にあるので注意が必要です。

 

滞納税の分納を希望する時には、担当窓口で相談することになります。事前に電話で問い合わせ、持参するものを確認して窓口に行くとよいでしょう。

現在の生活状況や収入などを説明し、分納を希望する旨を伝えます。すでに弁護士に依頼して債務整理中である方は、その事情も伝えたほうがよい場合もあります。

 

住民税は毎年5月頃に、6月以降1年分の納付書(納税通知書)が届きます。滞納税の分納が認められても、新年度の住民税は(多くは)4回に分けられた期限の通り支払う必要があります。新年度の納付も難しい場合、もう一度分納の相談をしてください。

固定資産税

マイホームや土地を所有している方は、固定資産税を支払う義務があります。

毎年4月~5月頃に、市町村から納付書(納税通知書)が送られます。

固定資産税の滞納のある方は対象となる不動産を差し押さえられる危険が高く、住宅ローン特約付き個人再生を目指している方にとっては早急に滞納を解決する必要があります。

 

固定資産税の担当窓口は、お住まいの市役所・区役所の「固定資産税課」や、「市税事務所」になります。納付書をご確認ください。

 

分納を希望する場合は、前述の住民税と同じく、担当窓口で相談することになります。

 

固定資産税に限らず、税金の滞納には高額の延滞金が加算されますので、早めに相談しましょう。

 

国民健康保険料

自営業やパート・アルバイトの方、会社員だが勤務先が社会保険に加入していない方は、ご自身で国民健康保険料(国保料)を納付する必要があります。

国保料は、税金と同じく、再生手続きで減免されませんし、長期滞納すると預金や給与を差押される可能性があります。

 

国民健康保険の担当窓口は、「保険年金課」などの名称で市役所・区役所内にあります。納付書や督促状などに連絡先の記載があるので確認してください。

 

分納を希望する場合は、担当窓口で相談します。税金と同じく延滞金が加算されることもありますので、早めの相談が必要です。

いくらずつ払えばいい?分納後の支払額は

住民税と固定資産税は、同じ役所内であれば、合算して相談できる場合もあります。

滞納金額にもよりますが、月額5000円~3万円まででまとまることが多いです。

また、国民健康保険料も、担当窓口次第ではあわせて相談できることもあります。複数の窓口に分かれている場合は、他にも滞納があることや生活状況、収入、支払いが可能な金額などを正直に伝えて、無理のない支払額にしてもらえるよう相談しましょう。

 

【分納後の税金等の支払い方法】

分納が認められると、多くの場合、分納誓約書(分納計画書)を作成します。誓約書類の作成後、分割金額に分けられた納付書が再発行されます。

その後は、月々の期限までに銀行、コンビニなどに現金と納付書を持参して支払います。

 

まずは窓口へ!役所での手続きは時間がかかります

平日は仕事があって役所に行けないとのことで、なかなか分納の手続きができない依頼者様は多くいらっしゃいます。

しかし、役所での相談の後、分割後の金額を記載した納付書や分納計画書をもらうまでに時間がかかり、申立が遅れてしまうこともあります。

 

個人再生手続を申し立てる際には、分納合意後の誓約書類と、支払った領収証なども必要になります。紛失しないように、きちんと保管しておくようにしましょう。

 

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監修者情報

弁護士

吉田浩司(よしだこうじ)

専門分野:債務整理事件(任意整理・個人再生・自己破産など)

2004年(旧)司法試験合格 2006年弁護士登録、2010年8月にTMG法律事務所開業。任意整理、個人再生、自己破産等の債務整理事件に数多く取り組んでいる。特に個人再生の取扱が多い。