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営業継続中の問題―(元)会社役員、代表者の注意点3

会社の事業債務を保証している場合

全5回にわたり、元会社役員、代表者の個人再生について注意点をお伝えしています。

3回目の今回は、(2)会社債権者対策が必要になる場面をご紹介します。

共同で経営してきた会社の業績が悪くなったり、他の役員と折り合いがつかなくなったりして役員を辞めた方が再生の相談に来られる場合があります。

会社を辞めた役員が会社の事業債務を保証している場合、役員個人の借入と一緒に、会社の保証債務も併せて整理の対象になります。

ただし、保証債務のある方が再生手続きを行ったことは、資金を貸し付けている銀行などの金融機関に伝わります。このとき、金融機関は、会社に対して、保証債務の対象(保証人)を変更するように求めます。

もし、代わりの保証人が見つからないと、会社は金融機関から一括請求を受け、会社が経営難になる可能性があります。

再生を希望する元役員の方は、できれば会社関係者に了承してもらってから、再生手続きを実行したほうが良いと言えます。

ただし、経営者が行方不明だったり、連絡が取れなかったりすることもあります。このような場合にはご自身の都合を優先し、申立を進めていただくほかありません。

 

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監修者情報

弁護士

吉田浩司(よしだこうじ)

専門分野:債務整理事件(任意整理・個人再生・自己破産など)

2004年(旧)司法試験合格 2006年弁護士登録、2010年8月にTMG法律事務所開業。任意整理、個人再生、自己破産等の債務整理事件に数多く取り組んでいる。特に個人再生の取扱が多い。