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事業用資産の評価方法は?―自営業者の個人再生4

適正な評価額を算出するには

前回は、自営業者の個人再生手続において、事業用資産が返済に影響を及ぼすことをご説明しました。第4回目は、事業用資産の具体的な評価方法などを紹介します。

事業用資産に高額の資産価値が認められると、弁済額に影響を与えるのは、前回のコラムでお話ししたとおりです。

もっとも、事業用資産は、申告書類に記載する「簿価」ではなく、時価で評価します。

そのため、事業用資産の購入時から長期間経過していたり、転売可能性が低いなどの理由から、高額評価にならず、弁済額に大きな影響を与えないこともあります。

例えば、コインパーキング事業者が所有するロック板、精算機などの設備に関し、数百万円の資金を投じて設置したものの、設備の転売や他の物件で再利用の可能性が無いことなどから、資産価値を算定した結果、弁済額に大きな影響を与えなかったことがあります。

また、車両やパソコンなどについては、年式や型式ごとに中古車小売価格が記載された「レッドブック」や、買い取り業者の下取り相場情報を査定額根拠とすることもあります。

こういった評価査定方法を知らず、簿価から財産目録を作成、申立すると、思わぬ再生計画案の変更を求められる結果になる危険もあるため、注意が必要です。

なお、現存しない資産や資金についても説明が必要な場合があります。

例えば、開業又は改装のため借入れた資金について、その使途が適切かどうか、現存する事業用資産の評価の参考として、工事の明細や購入品の納品書、領収書等の提示を求められる場合があります。

また、高額の資産を過去に売却又は処分している場合は、転売や処分の資料を確認したり、売却先などを聞かれることもあります。そのため、高額の資産を現金化するときは、転売・処分時の書類を確実に保管する必要があります。

監修者情報

弁護士

吉田浩司(よしだこうじ)

専門分野:債務整理事件(任意整理・個人再生・自己破産など)

2004年(旧)司法試験合格 2006年弁護士登録、2010年8月にTMG法律事務所開業。任意整理、個人再生、自己破産等の債務整理事件に数多く取り組んでいる。特に個人再生の取扱が多い。