財産について

個人賠償責任保険の財産価値と解約―保険と個人再生4

※このコラムは、記事作成時点において当事務所が取り扱う個人再生事件に関する内容を記載したものです。財産の扱いや、申立における方針については、各専門家や裁判所によって異なることがあります。実際に申立てされる方は、担当弁護士や裁判所に確認したうえで手続きを進めるようお願いいたします。

保険内容見直しの必要性

個人賠償責任保険とは、日常生活上、不意に生じた事故で他人の身体、財産に損害を与えた場合、加入した保険会社に賠償金を払ってもらうための保険です。

お子さんがおられる家庭では、学校の要請で加入している場合があります。保険料もそれほど高額ではなく、財産価値はほぼありません。

しかし、再生手続きでは、財産価値(解約返戻金)がないことを確認するため、保険証券や約款の提出を求められます。

 

なお、自動車保険の中には、加入者の同居の家族の個人賠償責任についても補償する商品も販売されています。

賠償責任保険は、複数の保険で重複していても2重に支払を受けられるものではありません。ですので、保険を見直す際には、重複がないか確認し、不要なものは解約したほうが良いでしょう。

(つづく)

 

保険は個人再生手続きに影響する?―保険と個人再生1
損害保険と再生手続の関係―保険と個人再生2
自動車保険の加入率―保険と個人再生3
個人賠償責任保険の財産価値と解約―保険と個人再生4
事業用賠償責任保険―保険と個人再生5
生命保険は残すべきか―保険と個人再生6
生命保険に関する必要資料―保険と個人再生7
医療保険は再生でどう扱われる―保険と個人再生8
所得補償保険は継続か、解約か―保険と個人再生9
学資保険の継続と再生手続き―保険と個人再生10

監修者情報

弁護士

吉田浩司(よしだこうじ)

専門分野:債務整理事件(任意整理・個人再生・自己破産など)

2004年(旧)司法試験合格 2006年弁護士登録、2010年8月にTMG法律事務所開業。任意整理、個人再生、自己破産等の債務整理事件に数多く取り組んでいる。特に個人再生の取扱が多い。